チャックのトラブル解消
- お使いのハンドピースで、バーが抜けやすい、バーが抜けなくなった、芯ぶれが出るなどの症状のある場合は、チャックの磨耗や汚れが原因の可能性があります。
バー抜けを防止するために
チャック不良は、メンテナンス不足によるチャック内の汚れが原因となることが多く見受けられますが、それ以外にも、次のような点にご注意いただくと、チャックの磨耗を最低限に抑制することができます。
1. バー選定時のご注意
バーの選定の際には、バーメーカーで指定する許容回転速度をご確認の上、指定回転速度を超えないようご注意ください。
- 特に、タービンや増速コントラなどを高速回転でご使用になる場合には、バーメーカー指定の許容回転速度に合わせて選択してください。掘削刃部の大きいカーバイトバー等では、回転速度と切削抵抗との関係で、切削負荷がチャックの把持力を超えて抜けやすくなる場合があります。
- ミニヘッドにロングタイプのバーを装着する場合も抜けやすくなります。ミニヘッドには、ショートシャンクバーをお使いください。
- シャンク部のやせたバー、曲がったバー、刃に欠けのあるバーを使用すると、抜けやすくなるだけでなく、ベアリングの耐久性にも影響を及ぼします。
2. バー装着時のご注意
-
- バーのシャンク部分に、ごみや切削粉等の異物が付着したまま装着すると、内部に蓄積した異物の影響でチャックの動きが悪くなり把持力が低下します。バーを装着する際は、取り付け前にシャンク部分をガーゼなどできれいに拭いてから装着してください。
- タービンや増速コントラにバーを装着する際は、確実にバーが突き当たるまで挿入してください。バーの浅咬みはバーの飛び出しにつながり非常に危険です。
- バーの装着時には、バーを押し引きし、バーが確実に装着されたか確認してください。ナカニシのエアータービンまたは増速コントラ用プッシュボタン式チャックは、使用前に押し引きする事により、使用開始時から安定したチャック把持力を得る事が出来ます。
3. 使用中のご注意
カーバイトバーなどを装着し、引く方向に動かして使用する場合、バーのエッジがかかり、抜けやすくなることがあります。また振動により、バーが浮いた状態になり、その状態で引く方向に力が加わると抜けやすくなる場合があります。
- 使用中にプッシュボタンが押されないようにご注意ください。
- プッシュボタン式ハンドピースをご使用中、口腔内で歯牙や頬側部にプッシュボタンが当たり押されると、タービン内の回転軸とプッシュボタンの内側が高速で接触するため摩耗してしまいます。そのためプッシュボタンが、チャックを開くだけのストロークが取れなくなりバーの取り外しが困難になります。これはバーが外しにくくなるばかりでなく、接触時の摩擦熱によるやけどの恐れがありますので、注意してください。また、バーの交換時、タービンが完全に止まらないうちにプッシュボタンを押して止めると、プッシュボタンの内側の摩擦につながり、バーが外れにくくなります。その他、空回しをしながらオイル抜きをする際にもプッシュボタンを押さないように注意してください。
-
- コントラバーを使用するプッシュボタンタイプハンドピースの場合、バーがラッチ部分に完全にかからない状態で使用すると、バーの上部段差がラッチ部分に噛み込んで抜けなくなる事があります。バー装着の際は、 バーを差し込んでから回転させ、半月部分が合う位置を探し、一段落ちこんでからさらに押しこみロックさせます。この場合も使用前にバーがロックされている事を確認してからご使用ください。
チャックのメンテナンス方法
チャック内にゴミがたまると、把持力が弱まったり、ぶれなどを起こし、バーが曲がったり抜けたりする危険性があります。汚れによるチャック不良を最低限に抑えるために、下記の要領で定期的なメンテナンスを行ってください。
技工用モーターハンドピースのチェックのメンテナンス
-
- チャックを取り外し、チャックのみを超音波洗浄やスチームクリーナーにより清掃します。
- チャックを取り外し、チャックのみを超音波洗浄やスチームクリーナーにより清掃します。
-
- ハンドピースのチャック挿入部も綿棒などで清掃してください。エアーブローは絶対に行なわないでください。ベアリングへ切削粉などが入り込み早期摩耗や発熱の原因になります。